外壁の塗り替えが必要な理由とは?費用相場や先延ばしリスクも解説

外壁の塗り替えは、建物の外観を美しく保ち、耐久性を向上させるために欠かせません。
しかし、塗り替えにかかる費用を考えると、「今すぐに必要なものでもないし……」となかなか踏み切れない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、外壁の塗り替えが必要な理由を解説します!
費用相場や費用を抑える方法、先延ばしリスクなどもあわせて見ていきましょう。
目次
1.外壁の塗り替えが必要な理由は?
一般的に、外壁の汚れや劣化は新築時から7〜10年経過すると目立ち始めます。
外壁材の素材によってもタイミングは異なりますが、定期的な塗り替えは必要です。
はじめに、外壁の塗り替えが必要な理由を解説します。
1-1.①外壁の保護
外壁塗り替え(塗装)の最大の目的は、外壁の保護です。
外壁や屋根は毎日、紫外線、雨風、真夏の猛暑、強風にさらされているため、外部からの刺激で徐々に劣化や色あせが進行していきます。
「塗膜(塗料を塗って固まることで作られる塗料の膜)」には建物を保護し、建物の劣化速度を速める雨・紫外線・熱など過酷な自然環境から守る働きがあります。
外壁塗り替えは大切なお住まいの耐久性を高め、長く守るために必要なメンテナンスと言えます。
建物の状態にあわせて定期的に外壁塗り替えを行うことで、劣化を未然に防ぎ、長期的な修繕コストを抑える効果も期待できます。
1-2.②美観の維持・お住まいのイメージチェンジ
外壁塗り替えが必要な理由は、お住まいの保護だけではありません。
どんなに素敵な家でも、時間の経過とともに外壁は汚れと劣化が目立ち、汚れをそのままにすると美観を損ないます。
外壁の塗装色を変えて美しくなることで、お住まいのイメージチェンジを行うことも塗り替えの目的の一つです。
最近では無機塗料、遮熱・断熱塗料などさまざまな塗料が登場しており、選択肢も広がっています。
外壁塗り替えで家の雰囲気を変えて見た目を美しく整えるだけでなく、同時に機能性を高めて、新築時のような美しさと快適な住環境を取り戻すことができます。
1-3.③資産価値の維持・向上
「外壁の状態」は、不動産の評価に直接影響します。
そのため、塗り替えによるメンテナンスを行い、手入れが届いた住宅は比較的早期に売却できる可能性が高まり、資産価値の維持・向上につながります。
売却時には「〇年に外壁塗装済み」などと伝えることで、買い手に「適切にメンテナンスされている家」という安心感を与え、価格交渉で有利に働きます。
2.外壁塗り替えの費用相場
外壁の塗り替え費用は、家の大きさや劣化の進行状況、使用する塗料の種類によって大きく異なります。
一般的な2階建て30坪の住宅の場合、外壁塗り替えにかかる費用は80万円〜100万円程度が目安です。
しかし、塗装面積が広くなったり、外壁の劣化状況、塗料のグレードによっては相場よりも費用が高くなることもあります。
2-1.外壁塗り替え費用の内訳
外壁塗り替えの費用には、以下のような工程・項目が含まれています。
- 足場代
- 塗装代(外壁塗り替えに用いる塗料の費用)
- 人件費
- 高圧洗浄代
- 養生代
- 下地処理代
- 塗装作業
- 廃材処分・諸経費
など
3.外壁塗り替えの費用が決まる主な要因は3つ
外壁塗り替えの費用は、主に以下の3つの要因によって決まります。
- ①家の大きさと塗装面積
- ②使用する塗料の種類
- ③足場代や人件費"
これらの要素で費用が左右される理由と、金額幅の目安について解説します。
3-1.①家の大きさと塗装面積
一般的に家の外壁塗装の費用は、家の大きさや塗装面積によって変化します。
前述した通り費用相場は100万円前後ですが、塗装面積が広ければ広いほど費用は高くなります。
外壁塗り替えの坪数ごとの費用相場は、以下の通りです。 ※あくまでも目安金額で、さまざまな条件によって価格は異なりますので、あくまで目安としてお考えください。
| 坪数(延べ坪数) | 塗装面積 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 20坪 | 約80㎡ | 約50〜60万円 |
| 30坪 | 約120㎡ | 約60〜100万円 |
| 40坪 | 約160㎡ | 約80〜120万円 |
| 50坪 | 約200㎡ | 約100〜 160万円 |
| 60坪 | 約240㎡ | 約120〜200万円 |
3-2.②使用する塗料の種類
外壁塗り替えに使用する塗料の種類も、費用を決定する要因です。
コストを抑えたい方は「ウレタン塗料」や「シリコン塗料」がおすすめですが、建物の耐久性を高めて長く美観を保ちたい方は「フッ素塗料」や「無機塗料」が好ましいでしょう。
耐用年数が長く高性能な塗料は初期費用が高くても、塗り替え周期を大幅に延ばせるため、結果的にコスト削減につながります。
| 塗料 | 耐用年数 | 単価相場 |
|---|---|---|
| アクリル塗料 | 5年〜7年 | 1,000円〜1,500円/㎡ |
| ウレタン塗料 | 7年〜10年 | 1,500円〜2,500円/㎡ |
| シリコン塗料 | 10年〜13年 | 2,500円〜3,500円/㎡ |
| ラジカル塗料 | 15年〜20年 | 2,500円〜3,300円/㎡ |
| フッ素塗料 | 15年〜20年 | 3,500円〜4,800円/㎡ |
| 無機塗料 | 20年〜25年 | 3,800円〜5,500円/㎡ |
3-3.③足場代や人件費
足場の設置は、安全かつ質の高い外壁塗り替えをする上で必ず必要になります。
足場の費用相場は、一般的な2階建て30坪の住宅の場合、15万〜20万円程度です。
また、外壁の塗り替え作業には職人の技術が必要であり、経験豊富で技術力の高い職人による施工は費用は高くなります。
1人1日あたり1万5千円〜2万円が相場とされていますが、地域や職人の経験年数によっても上下します。
4.外壁塗り替えの費用を安くする5つの方法
建物の面積や劣化状況などによっては、外壁塗り替えの費用は高くなりがちです。
「できるだけ費用を抑えて外壁塗り替えをしたい!」と考えている方は多いのではないでしょうか?
ここからは、外壁塗り替えの費用を安くする5つの方法を解説します。
- ①相見積もりをとる
- ②地域密着型の業者に依頼する
- ③「屋根」と「外壁」の塗り替えをセットで依頼する
- ④外壁塗装業者の繁忙期を避ける
- ⑤助成金や補助金を利用する
4-1.①相見積もりをとる
外壁塗り替えの費用を抑えるには、複数の塗装業者から相見積もりをとることが大切です。
同じ条件で見積もりを取って比較することで、料金が適性かどうか見極めやすくなります。
・見積書に具体的な工程が書いてあるか
・塗装単価が「一式」のようにあいまいに書かれていないか
・使用する塗料の製品名が書いてあるか(ウレタン塗料やシリコン塗料という記載だけの場合は要注意)
なども細かくチェックしておくと、信頼に値する依頼先を選べるでしょう。
4-2.②地域密着型の業者に依頼する
地域密着型の外壁塗装業者は、大手業者に比べて大規模な広告宣伝費を使わないことや下請け業者への委託料がかからず費用を抑えることができます。
その地域特有の気候や環境に合わせた塗装プランも提案してもらうことも可能です。
また、地域密着型の業者はアフターフォローが充実している業者も多くあります。
施工実績や経験の豊富さなども重視し、最適な業者を選びましょう!
4-3.③「屋根」と「外壁」の塗り替えをセットで依頼する
屋根と外壁は、同時に塗装工事をすることで足場代や人件費が節約できるため、別々に依頼するよりも費用を抑えることができます。
外壁も屋根も常に紫外線や雨風にさらされているため、定期的な塗り替えによるメンテナンスは欠かせません。
劣化の進行が同じような時期に起こるケースもあるため、外壁塗り替えを検討している場合は屋根と同時に行うことで建物全体がバランスよく綺麗な状態に仕上げることができます。
4-4.④外壁塗装業者の繁忙期を避ける
外壁塗り替えで費用を抑えるには、外壁塗装業者の繁忙期を避け、閑散期に依頼するのが効果的です。
塗装業界の繁忙期は、比較的気候が安定している「春」と「秋」です。
逆に2月・6月の梅雨や冬季は天候に左右されやすいため、閑散期となります。
業者によってはキャンペーンや割引を実施しているケースもあるため、繁忙期と比べて費用を安く抑えることができます。
天候により工期が伸びる可能性もありますが、すぐに塗り替えが必要でない場合は、繁忙期を避けて業者に依頼することをおすすめします。
外壁塗装の最適な時期や季節・季節ごとのメリット・デメリットについての解説はこちら!
https://crayon-paint.net/?m=column/detail&column=10
4-5.⑤助成金や補助金を利用する
自治体によっては、条件を満たした場合に外壁塗り替えに助成金や補助金が出るケースがあります。
内容や金額は自治体によって異なりますが、支給額は約5万〜50万円程度が一般的です。
お住まいの自治体の助成金・補助金情報を確認し、条件を満たすかどうかを確認しましょう。
5.外壁の塗り替え時期を判断する方法
外壁塗り替えを行う適切な時期をご存知でしょうか?
ここからは、外壁塗り替えのベストな時期を判断する方法についてご紹介します。
5-1.①塗料の耐用年数
外壁の塗り替え時期は「10年」を目安にすることが一般的です。
そのため、「前回の塗り替えからそろそろ10年経つ」という場合は、外壁の塗り替え時期である可能性が高いと言えます。
しかし、前回使用した塗料の種類や外壁の状態などによっては、適切な塗り替え時期は大きく変わってきます。
新築時は耐用年数が短い塗料を使用しているケースもあるため、目安である10年よりも早めに塗り替えをすることをおすすめします。
まずは「新築時にどの塗料を使用したか」「前回の塗り替えで使用した塗料の種類」を確認してみましょう。
5-2.②外壁の劣化状況
お住まいの塗り替え時期をはっきりと判別する場合は、外壁の劣化状況で判断した方がより確実です。
下記のような劣化症状が現れている場合、外壁塗り替えを検討する必要があります。
- 〇色あせ
- 〇チョーキング(外壁を指で触った時に白い粉がつくこと)
- 〇シーリングの劣化
- 〇ひび割れ(クラック)
- 〇塗膜のはがれ
- 〇カビ・苔・藻が発生している
- 〇汚れが目立つ
など
ご自身で目視による簡易的なチェックも可能ですが、塗装業者の多くは塗り替え前に劣化状況を診断する「無料サービス」を提供しています。
外壁塗り替えをすべきか否か迷ったら、お住まいの劣化状況を知るためにもまずはプロの診断を受けましょう!
6.外壁の塗り替えを放置した場合の4つのリスク
長年外壁の塗り替えをせずにいると、住宅の見た目が悪くなるだけでなく、雨漏りや建物内部の劣化につながり、建物の寿命を縮めることになります。
外壁の塗り替えを行わなかった場合のリスクについても知っておきましょう。
- ①雨漏りが発生するようになる
- ②修繕費用が高額になる
- ③住宅の見た目が悪くなる
- ④家の寿命が短くなる
6-1.①雨漏りが発生するようになる
外壁の塗膜が剥がれたまま放置してしまうと、外壁材の防水機能が低下します。
特にひび割れ(クラック)を放置した場合は雨水が建物内部に入り込みやすくなり、雨漏りが発生しやすくなります。
雨漏りが発生すると建物内部にカビや湿気をもたらし、アレルギー症状や喘息など健康にも影響を及ぼしてしまいます。
雨漏りを未然に防ぐためにも、定期的な点検とメンテナンスを行うことが大切です。
6-2.②修繕費用が高額になる
外壁塗り替えを放置すると、劣化した外壁から雨水が侵入し、柱や梁(はり)などの重要な構造部分を腐食させる可能性もあります。
塗り替えでは対応できない状態に進行してしまうと、修繕費用が通常の2〜3倍に膨らむケースもあるため注意が必要です。
定期的に外壁の状態をチェックし、早めの対処を心がけましょう。
6-3.③住宅の見た目が悪くなる
外壁は住宅を雨や紫外線から守るだけでなく、外観の美しさにも大きく影響する部分です。
外壁の色褪せやひび割れ、塗装がはがれていたりすると、築年数以上に古い印象を与えてしまいます。
美しい状態を保つためにも、適切な塗料を選び、専門業者による定期的なメンテナンスを行いましょう。
6-4.④家の寿命が短くなる
外壁の劣化が進行すると雨水の侵入を許す原因となり、家の寿命が短くしてしまいます。
外壁の塗り替えは劣化した部分を直し見た目を美しくするだけでなく、家自体の寿命を延ばし、資産価値を高めることにつながります。
7.外壁の塗り替えに関するよくある質問
最後に、外壁の塗り替えに関する疑問についてQ&A形式でお答えしていきます。
外壁塗り替えをお考えの方は、ご利用の参考にしてください。
Q.外壁塗り替えの施工期間はどれくらいですか?
A.外壁塗り替えの施工期間は、一般的な2階建て30坪の住宅の場合、7〜14日前後です。
住宅の大きさや気候、外壁劣化などの影響で伸びる可能性もあります。
Q.外壁塗り替えはどの季節でもできますか?
A.外壁塗り替えは、一年を通して季節を問わず行うことができます。
「春(4〜5月)」と「秋(10〜11月)」は塗料にとって気候や湿度、天候に恵まれているため外壁塗り替えに最適な季節と言えます。
Q.塗料の色は自分の好きな色を選べますか?
A.外壁塗り替えでは、基本的に自由に色を選ぶことができます。
家族が好きな色を選ぶことも大切ですが、汚れやすさ・日光や経年劣化で変化することも考慮して選ぶと良いでしょう。
色選びに迷ったら、塗装業者に周囲の景観や家の雰囲気と合う塗料をアドバイスしてもらうのもおすすめです!
Q.外壁塗り替えの際、塗料の臭いは気になりますか?
A.人によって塗料の臭いの感じ方に差はりますが、油性塗料を使用した場合、臭いがきつく感じることがあります。
外壁塗り替えで塗料の臭いが続く期間は、下塗り塗料を塗った後から乾燥するまでの2〜3日ほどになります。
臭いが気になる場合は、「水性塗料」を使用すると臭いを大幅に抑えることができます。
Q.外壁塗り替えの際、エアコンは使えますか?
A.外壁塗り替え中、エアコンはいつも通り使用できます。
塗り替えを行う際は、塗料が機器に付着しないように室外機全体にカバーをつけるなどして養生されます。
業者によっては一時的に使用できないケースもありますので、事前に塗装業者に相談し、使用可否を確認しておきましょう。
Q.外壁塗り替え中は家にいるべきですか?
A.外壁塗り替え中は、お出かけや用事などで留守にしても問題ありません。
ただし、足場の設置時や完了の確認・足場の解体など作業工程によっては立ち会いが必要となります。
立ち会いが必要な日については、業者に事前に確認しておきましょう。
Q.外壁診断だけでも可能ですか?
A.もちろん、外壁診断だけでも可能です。
外壁診断を受けることで、現在の劣化箇所や劣化状態を正確に知ることができるため、「今塗り替えが必要かどうか」がわかります。
多くの業者では診断と見積もりを無料で行っていますので、まずは専門の知識と技術を持ったプロによる診断を受けましょう!
まとめ
外壁塗り替えは、大切なお住まいを美しく保つだけでなく、さまざまな気象条件から建物を守り、耐久性を保つために欠かせない作業です。
広島・山口・岡山・島根県で外壁塗装をお考えの方は、株式会社クレヨンにお任せください。
外壁・屋根診断、お見積もり、ご相談は無料ですので、お気軽にご相談くださいませ。
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