モルタル外壁 メリット・デメリット・補修が必要な劣化サインについて解説!

モルタル外壁は日本の住宅で長年愛されてきた、デザイン性と機能性を兼ね備えた外壁材です。
デザイン性に富んでいることもあり人気を集めています。
この記事では、モルタル外壁の劣化サインや補修方法、費用相場について詳しく解説します!
目次
1.モルタル外壁の基礎知識
モルタル外壁とは水と砂とセメントを混ぜ合わせた素材を、職人が手作業で塗って仕上げる外壁です。
1990年代以前の日本の木造住宅において、一般的な外壁材として全国に普及していました。
現在主流のサイディングボードのように、工場で大量生産されるパネルを貼り合わせる工法とは異なります。
建設現場で左官職人がコテを使い、壁全体が15mm〜20mmの厚さになるように塗り広げます。
担当する職人の技術力によって、仕上がりの美しさや耐久性が大きく左右される工法です。
パネルの継ぎ目がないシームレスな外観は重厚感があり、デザインを重視する方から人気を集めています。
建物の形状に合わせて対応できるため、洋風から和風まで幅広い建築スタイルに調和させられます。
2.モルタル外壁のメリット
モルタル外壁には、他の一般的な外壁材にはない独自の実用的な機能性やデザイン面のメリットが存在します。
ここではモルタル外壁を採用するメリットについてご紹介します。
2-1.遮熱性が高い
モルタルは熱を蓄えにくく、強い直射日光を受けても表面温度が上がりにくい性質があります。
真夏の厳しい暑さの中でも屋外の熱が室内に伝わりにくいため、快適な住環境を維持できます。
エアコンの効きが良くなることで、毎月の電気代を10パーセント前後節約することが可能です。
2-2.耐火性が高い
主成分であるセメントと砂は、燃えにくい不燃材料として認められています。
万が一隣接する家屋で火災が発生した場合でも、もらい火による延焼のリスクを大幅に減らすことが可能です。
ご家族の命や貴重な財産を予期せぬ火災から守るための、非常に信頼性の高い外壁材と言えます。
2-3.様々なデザインを施せる
熟練した左官職人が手作業で仕上げるため、コテの動かし方次第で波模様や扇型など自由な模様を描けます。
塗料の中に骨材と呼ばれる細かな砕石や砂を混ぜて吹き付けることで、立体的で奥行きのある質感も表現できます。
近隣の住宅とは違う、世界にひとつだけのオリジナルな外観にしたい方には最適な外壁材です。
2-4.シーリング補修が不要
現在主流のサイディング外壁のように、外壁パネル同士を繋ぎ合わせるためのゴム状の目地部分が存在しません。
そのため紫外線劣化により約10年ごとに必要となる、シーリング打ち替え工事の手間と費用を削減できます。
将来的に発生する定期的なメンテナンス費用を安く抑えたい方に良いでしょう。
3.モルタル外壁のデメリット
魅力的なメリットが多い一方で、モルタル外壁には素材の特性に由来するいくつかの弱点も存在します。
大切な建物を長持ちさせるために理解するべきデメリットについて解説します。
3-1.ひび割れしやすい
モルタルは施工後に乾燥して硬化していく過程で内部の水分が蒸発するため、素材が収縮してひび割れが発生します。
また地震などによる建物の揺れに対して追従する性能が低いため、クラックが入りやすい硬い素材です。
幅が0.3mmを超えるひび割れは雨水が壁の内部へ直接侵入する原因となるため、見つけ次第補修が必要です。
3-2.防水性が低い
モルタルを構成しているセメントと砂そのものは水を吸い込みやすい性質を持つため、単体での防水性は高くありません。
外壁の表面に専用の塗料で塗装を施すことで、初めて雨水を弾き返す防水膜を形成し建物を守る仕組みです。
そのため10年前後の周期で行う、定期的な外壁塗装のメンテナンスを怠ってしまうと、劣化が急速に進行します。
3-3.汚れが付きやすい
意匠性を高めるために、外壁の表面をザラザラとした凹凸のある複雑な模様に仕上げることが多いです。
そのため表面の細かい凹み部分に排気ガスや砂埃などが溜まりやすく、年数が経つと黒ずみ汚れが目立ちやすいです。
日当たりが悪く湿気がこもりやすい北側の壁では水分が乾きにくいため、コケやカビが繁殖しやすくなります。
4.モルタル外壁の費用相場と施工期間
モルタル外壁のメンテナンス工事にかかる費用は、施工する建物の総面積や使用する塗料などによって変動します。
ここでは一般的な延床面積30坪の2階建て木造住宅を想定した場合の、費用相場と工期の目安をご紹介します。
この金額には安全に作業するための足場仮設代から高圧洗浄、標準的なシリコン塗料を用いた3回塗りまでが含まれます。
もし外壁にひび割れが多数発生している場合は、それらを埋める下地補修費としてさらに5〜10万円程度必要です。
ご自宅の正確な工事金額を知るためには、信頼できる複数の塗装業者から相見積もりを取って比較検討することが大切です。
| 工法 | 費用相場 (30坪目安) |
工期の目安 |
|---|---|---|
| モルタル外壁の 塗装のみ |
80〜120万円 | 10〜14日間 |
| ひび割れ補修 を含む塗装 |
90〜130万円 | 12〜16日間 |
| 屋根塗装との同時施工 | 110〜160万円 | 14〜20日間 |
5.モルタル外壁の放置リスク
劣化のサインを見逃してメンテナンスを先延ばしにすると、建物全体の構造にまで深刻なダメージを与えます。 傷みや不具合を長期間にわたって放置し続けた場合に起こり得る、リスクについて説明します。
5-1.雨漏りのリスク
外壁にできた深いひび割れや塗膜の剥がれを放置すると、降雨時の雨水が建物の内部へとダイレクトに侵入します。
侵入した雨水は内部の防水シートを通り抜けて、室内の壁紙に黒いシミを作ったり雨漏りを引き起こすことが多いです。
一度雨漏りが発生してしまうと塗装工事だけでは直すことができず、壁を解体する高額な改修費用がかかることもあります。
5-2.カビやシロアリの発生
ひび割れから侵入した水分によって壁の内側が常に湿った状態になると、見えない木材の部分でカビが大量に繁殖します。
さらに湿気を含んだ木材はシロアリの好物であるため、建物を支えるための大切な柱や土台の木を食い荒らされることが多いです。
見えないところでシロアリ被害が進行し続けると、最悪の場合は地震が発生した際に家屋が倒壊してしまう危険性が高まります。
5-3.外壁の落下
外壁内部への雨水の侵入と乾燥を長期間繰り返すことで、モルタル外壁と内部の下地木材との密着力が失われていきます。
完全に密着力を失って浮き上がったモルタルは、少しの衝撃や地震の揺れによって大きな塊となって突然剥がれ落ちます。
高い場所から重たい外壁材が落下して通行人の頭上に直撃すれば、命に関わる大事故に繋がるため大変危険です。
6.モルタル外壁の劣化サイン
モルタル外壁の劣化サインの劣化サインについて説明します。 これらの症状があらわれたときは、専門業者による点検や塗り替えを考える必要があります。
6-1.ひび割れ
モルタル外壁で頻繁に発生し注意深く観察すべき初期のサインが、表面に発生する大小さまざまなサイズのひび割れです。
幅が0.3mm以下の細いひび割れであれば、すぐに壁の内部へと雨漏りする危険性は低いため経過観察でも問題ありません。
しかし名刺が入るほどの太いひび割れを見つけた場合は、すでに内部に水が回っている可能性が高いので危険です。
6-2.チョーキング現象
よく晴れた日に外壁の表面を手で軽くこすった際に、黒板で使うチョークのような白い粉が手のひらに付着する劣化現象です。
太陽の紫外線によって塗料の樹脂成分が完全に分解され、色を構成する顔料が粉状になって表面に浮き出ている状態となっています。
防水機能が完全に失われている証拠ですので、このサインが出たら遅くとも1年以内の塗り替えを検討してください。
6-3.塗膜の剝がれや膨れ
外壁の表面を覆っている塗装が火傷の水ぶくれのように膨らんだり、広範囲に剥がれ落ちたりする症状です。
これはひび割れなどから侵入した水分が太陽の熱で水蒸気へと変化し、塗膜を内側から強い力で押し上げているために起こります。
モルタルの外壁材が完全にむき出しになっており劣化が進む危険な状態ですので、発見次第すぐに業者へ連絡してください。
6-4.白華現象
外壁の表面に白い鼻水が垂れたような跡や、白い粉が頑固にこびりついたような目立つ汚れが発生する特有の劣化現象です。
内部に侵入した雨水がモルタル内部のセメントに含まれるカルシウム成分を溶かし出し、表面に流れ出て結晶化することで起こります。
ひび割れの内部に多量の雨水が浸入している状況なので、早急な内部点検と防水処理のやり直しが必要不可欠です。
7.モルタル外壁の作業工程
モルタルを長持ちさせるためには、正しい手順で作業を行う必要があります。
実際の塗装工事がどのような流れで進められていくのかを事前に知っておくことは、施主として大切です。
7-1.高圧洗浄
足場を組み終えたら、強力な業務用高圧洗浄機を使って外壁に付着した汚れを洗い流します。
水圧は一般的な家庭用洗浄機の約15倍にあたる強さで、外壁の凹凸に詰まったカビや古い塗膜の粉を根こそぎ落とします。
この洗浄作業を丁寧に行わないと新しい塗料が壁に密着せず、わずか数年でボロボロと剥がれる原因になることが多いです。
7-2.下地補修
本格的な塗装を行う前に、モルタル特有のひび割れや欠けが発生している部分を専用のセメント等で平らに埋める作業です。
ひび割れの溝が深い場合は専用の工具を使ってV字型に大きく掘り広げてから、補修材を奥深くまで充填します。
この下地処理こそが建物の今後の寿命を左右する重要な工程であり、熟練した職人の丁寧な手作業が求められます。
7-3.養生
塗料を塗る際に塗料が飛散して、窓ガラスやアルミサッシ、玄関のドアやタイル床が汚れないように専用のビニールで覆います。
また外に置かれているエアコンの室外機や庭の植木などにも専用カバーをかけて、作業中の汚れから確実に守り抜きます。
養生用のテープを真っ直ぐに隙間なく貼る職人の細やかな気配りと技術力が、最終的な仕上がりの美しさに直結する準備作業です。
7-4.下塗り
ひび割れ補修と養生が完了したら、外壁材と新しい塗料を強力に密着させる両面テープのような役割を果たす下塗りを行います。
モルタル外壁の場合は微細なひび割れを埋めて表面を滑らかに整える、微弾性フィラーと呼ばれる粘度の高い材料を使うことが多いです。
この下塗り材を規定の量でたっぷりと塗ることで、中塗りや上塗りの塗料が外壁に過剰に吸い込まれるのを防ぎます。
7-5.中塗り・上塗り
下塗りが完全に乾燥したことを確認してから、お好みの色の塗料を全体にムラなく塗布していく中塗りという工程を行います。
中塗りが乾いた後にさらにもう一度同じ色の塗料を重ねて塗る上塗りを行うことで、指定する十分な厚みの塗膜を作り上げることが可能です。
合計3回の塗装を重ねることで紫外線や激しい雨水に強い強靭な防水膜が完成し、塗料が持つ本来の耐久性を最大限に発揮します。
8.モルタル外壁をオシャレに仕上げるポイント
モルタル外壁は左官職人の手仕事による仕上げの自由度が高いため、デザインにこだわりたい方におすすめの素材です。
ご自宅の外観を周囲の家よりも魅力的でオシャレに仕上げるために、必ず押さえておきたいポイントをご紹介します。
8-1.質感のイメージを決めておく
コテを使って波のようなうねりのある模様を描くウェーブ仕上げや、扇を広げたような模様を描く扇仕上げなど種類は様々です。
また塗料の中に細かい砂などの骨材を混ぜて吹き付けることで、ザラザラとした重厚感のあるリシン仕上げやスタッコ仕上げも人気です。
塗装を業者に依頼する前に施工事例の写真をたくさん見て、どのような質感の外壁にしたいのか明確なイメージを持ちましょう。
8-2.印象に残るように塗料の色を選択
モルタルはマットな質感になりやすいため、選ぶ塗料の色によって建物の第一印象や雰囲気が大きく変わります。
温かみのある雰囲気にしたい場合は淡いベージュなどのアースカラーを選ぶと、周囲の街並みに違和感なく綺麗に馴染みます。
逆にスタイリッシュでモダンな印象を与えたい場合は、あえてグレーやダークブラウンなど落ち着いた濃い色を選択するのがおすすめです。
8-3.他の外壁材とのバランスを考える
建物の全面をすべてモルタルで仕上げるだけでなく、あえて1階部分と2階部分で異なる種類の外壁材を組み合わせてみるのもオシャレです。
例えば玄関周やバルコニー部分だけを木目調のサイディングにして、その他の面積をモルタルで仕上げると立体感が生まれます。
モルタルと木材や金属パネルといった異素材を上手に組み合わせることで、メリハリの効いた洗練されたデザインの住宅になります。
9.モルタル外壁のメンテナンス
モルタル外壁を新築時のような美しい状態で長く保つためには、日頃からの適切なお手入れや定期点検が欠かせません。
大切な建物の寿命を大きく延ばすために実践していただきたい、メンテナンス方法をご紹介します。
9-1.作業後8〜10年を目安に再塗装
モルタル外壁の防水機能は表面に塗られた塗膜に完全に依存しているため、施工後8〜10年を目安に再塗装が必要です。
使用した塗料のグレードや日当たりによって耐久年数は異なりますが、まずは10年という区切りでの専門家による点検が推奨されます。
劣化が深刻化する前の早期に塗り替えを行うことで大掛かりな補修工事を未然に防ぐことができ、維持費用を安く抑えられます。
9-2.ブラシで優しく落とす
ご自身でできる日常的なお手入れとしては、外壁の表面に付着した排気ガス汚れや砂埃を年に数回定期的に洗い流すことが効果的です。
ホースでたっぷりと水をかけながら柔らかい洗車用のスポンジや専用ブラシを使って、表面の黒ずみ汚れを優しくこすり落とします。
汚れを落とそうとして硬いタワシで強くこすりすぎると表面の塗装を痛めてしまうこともあるので、力を入れずに丁寧に行うことが大切です。
9-3.高所で作業することもあるので業者に頼む
2階部分の屋根に近い外壁の汚れを落としたり、手が届かない部分のひび割れの深さを確認したりするのは一般の方にとって危険な作業です。
不安定な脚立やはしごから足を滑らせて転落するような重大な事故を防ぐためにも、高い場所での無理な作業は絶対にしないようにしてください。
地上から手の届かない高い場所の点検や清掃については、専門的な知識を持ち安全な足場を組むことができるプロの塗装業者に依頼しましょう。
まとめ
モルタル外壁は特有の温かみと高いデザイン性を誇る素晴らしい外壁材ですが、維持するための定期的なメンテナンスが不可欠です。
ひび割れなどのサインを見逃さず信頼できる専門業者に相談して、大切なご自宅をいつまでも健康で美しい状態に長持ちさせてください。
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