塩害でお困りの方必見!主な被害や外壁塗装による塩害対策を解説

海沿いの地域にお住まいの方は、外壁のサビや劣化の原因につながる「塩害」に注意しなければなりません。
大切な家を守り美しい外壁を保つためには、どのような対策を行えばよいのでしょうか?
この記事では、塩害がもたらす主な被害や外壁塗装による塩害対策などを詳しく解説します。
目次
1.塩害とは?
塩害とは、「塩分」が建物などに引き起こす被害のことをいいます。
海岸から近いエリアにある住宅は、多くの塩分を含んだ潮風を受けるため、塩害の被害を受けやすくなります。
特に潮風や強い紫外線などにさらされる「外壁」や「屋根」はダメージを受けやすく、建物の劣化やサビを防ぐために塩害対策が欠かせません。
2.塩害で被害を受けやすい住宅箇所
塩害で被害を受けやすいのは、主に金属製のものが使用されている箇所です。
外周りに使うものは金属製が多いですが、塩害の影響を特に受けやすくなります。
- 金属屋根
- 外壁
- 窓のサッシ
- ベランダ・バルコニー
- 玄関ドア
- ポスト
- 雨戸や戸袋
- 庇(ひさし)
- エアコン室外機
- 給湯器
3.塩害がもたらす主な被害は4つ
目に見えませんが、海から吹いてくる潮風には多くの塩分を含んでおり、塩害を引き起こします。
建物が塩害を受けると、どのような症状が発生するのでしょうか?
3-1.住宅の外壁や屋根の劣化
空気中に含まれる塩分が外壁や屋根に付着することで、塗膜(塗料が乾燥して固まった膜)が剥がれやすくなり、外壁材自体の劣化を早めてしまいます。
これにより、見た目を損なうだけでなく建物の耐久性を低下させてしまいます。
塩害の被害の大きさや進行速度はお住まいの環境によって異なりますが、数年で劣化が生じることがあります。
海沿いの地域は、内陸の地域よりも、外壁・屋根の劣化や痛みが早くなることを知っておきましょう。
塩害による建物の劣化を防ぐためには、耐久性の高い塗料を選ぶことが大切です。
3-2.金属部分の錆び
塩害は、建物の金属部分を錆びさせ、耐久性を著しく低下させる原因の一つです。
サッシや雨戸、戸袋などの金属部分に塩分が付着すると、「錆び」や「腐食」を促進させます。
また、塩害は電線・配電ケーブルの被覆を劣化させ、腐食を引き起こす可能性があります。
ケーブルのコーティングも耐塩性の強いものがあり、塩害に強い塗料を使って塗装することで対策可能です。
屋外にケーブルが露出している場合は、付着した塩分をこまめに除去したり、業者に相談してメンテナンス・交換を行うことをおすすめします。
3-3.コンクリートのひび割れ
コンクリートの外から塩分が侵入すると、時間の経過とともに構造物の表面から少しずつ内部へ浸透していきます。
コンクリート内部の鉄筋に錆びが発生すると、 錆び汁をともなったひび割れや剥離、鉄筋の露出などを引き起こすリスクがあります。
ひび割れや小さな剥離などの兆候が見られたら、建物の劣化が進んでいる可能性があります。
早めに専門業者に相談し、補修を行いましょう。
3-4.窓・外壁・屋根の汚れ
塩害は、窓や外壁・屋根の汚れの原因にもなります。
特に窓ガラスの汚れは目立ちやすく、生活をする中で特に気になる方は多いかもしれません。
塩害によって窓ガラスに付いた塩分は水だけでは落としにくいですが、お湯を絞ったタオルや雑巾で拭くと効果的です。
仕上げに乾いた綺麗なタオルで乾拭きをすると、より綺麗になります。
また、定期的に外壁・屋根の清掃とメンテナンスを行うことで、塩害対策につながります。
4.塩害の被害を受けやすい住宅の特徴
塩害は、どのような住宅で発生しやすいのでしょうか?
塩害の被害を受けやすい住宅の特徴について見ていきましょう。
4-1.海に近い場所にある住宅
海に近い場所ほど潮風を受けるため、塩害の被害を受けやすくなります。
塩害の被害を受ける範囲としては、一般的に海岸線から200〜500m以内は「重塩害地域」、2km以内を「塩害地域」と呼ばれています。
基本的に海に近いほど塩害の影響は大きくなりますが、台風や風の影響で潮風は遠くまで運ばれるため、海から離れている場合でも油断は禁物です。
なお、塩害地域についてはお住まいの地域により定義が異なる場合があるため注意が必要です。
地形や風向きなどによっては、塩害地域の範囲外であっても塩害が発生するケースもあります。
4-2.高階層住宅
海岸から離れていても、階層が高い建物・お住まいは平家住宅よりも塩害被害を受けやすいと言われています。
海が近い魅力的なオーシャンビューに憧れて、バルコニーやテラスを設けているお住まいも多いでしょう。
しかし、潮風にさらされた窓ガラスは塩が付着し、風で運ばれた砂がサッシに入り込んでいるといったケースも少なくありません。
潮風に含まれる塩分が風によって高い位置まで運ばれ、窓やベランダ・バルコニーの金属部品などに塩分が付着しやすくなります。
4-3.トタンやアルミなど金属素材を使った住宅
お住まいにアルミやトタンといった錆びやすい金属素材が使われている場合、塩害を受けやすくなります。
金属の錆びが広がり腐食が進むと、穴が開いて雨漏りの原因にもなるため、塩害が起こりやすい地域では注意が必要です。
海沿いに家を建てる場合、屋根や外壁にトタンやアルミ、スチールなどの「金属素材」を使うのは避けましょう。
5.効果的な塩害対策は?
大切なお住まいを塩害から守るためには、どのような対策を行えばよいのでしょうか?
専門業者に依頼しなければならない対策もありますが、ご自身ですぐにできる塩害対策もあります。
ここからは、効果的な塩害対策をご紹介していきます。
5-1.外壁塗装・屋根塗装を行う
塩害対策として最も効果的なのは、外壁塗装・屋根塗装です。
塩害エリアでは、外壁や屋根が劣化しやすく、通常よりも数年早く剥がれてしまうことがあります。
塗装が剥がれた部分は、建材が直接紫外線を受けることで外壁材や屋根材自体の劣化を進行させてしまいます。
「無機塗料」や「フッ素塗料」など、塩害に強い塗料で塗替えを行うことで、塩害や紫外線などから建物を守ることができます。
塩害から建物を守るには、専門の業者に相談することをおすすめします。
5-2.電気機器を屋内に移動させる
金属部分が多い電気機器は、塩分を含んだ風によって錆びたり劣化しやすく、腐食が進むと漏電のリスクが高まり故障につながります。
電化製品などを屋外に置いている場合は、極力室内で管理するようにしましょう。
屋外に電化製品を置いていないか、まずは確認してみましょう。
5-3.換気扇や室外機を置く場所を変える
屋外に置かざるをえない換気扇や室外機などは、海とは反対側に置くことで塩害の影響を軽減することができます。
また、耐塩害・耐重塩害仕様のエアコン室外機に変えたり、換気口用の除塩フィルターを利用することも塩害対策になります。
できる対策から始めて、換気扇やエアコンから室内に塩分が侵入するのを防ぎましょう。
5-4.こまめに清掃して塩分を洗い流す
定期的な外壁掃除は、簡単な塩害対策です。
外壁に付着した塩分を洗い落とすことによって、建物の劣化・腐食を防ぐことができます。
特に台風や強風の後などは、塩分をしっかりと洗い流しましょう。
しかし、高圧洗浄機などの機械やタワシで洗うと外壁の表面や塗料を痛めてしまい、逆に劣化を促進させてしまいます。
ご自身で外壁掃除を行う際は、ホースで水をかける程度でOKです。
掃除を行う時間がない方や、徹底的に掃除をしたい場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
5-5.塩害に強い外壁材へ張り替える
本格的な塩害対策を行いたいときには、塩害に強い外壁材へ張り替えるというのも一つの選択肢です。
「樹脂系サイディング」「ガルバリウム鋼板」など塩分に強い外壁材に張り変えることで、劣化を防止することが可能です。
既存の外壁を取り払い新しい外壁材を施工する「完全張替え法」のほか、既存の外壁の上に新しい外壁材を重ね張りしていく「重ね張り」の施工方法があります。
業者に相談し、建物の状態や予算などに合わせて最適な方法を提案してもらいましょう。
6.塩害に強いおすすめの塗料の種類と費用
大切なお住まいを塩害から守るためには、外壁塗装が欠かせません!
ここからは、塩害に強いおすすめの塗料の種類と費用をご紹介していきます。
6-1.塩害に強いおすすめの塗料
外壁塗料で塩害対策をする場合におすすめの塗料は、「無機塗料」「フッ素」です。
その理由は、
- 耐久性が高い
- 塩害だけでなく、紫外線などの影響を受けにくい
- 通常の塗料よりも汚れがつきにくい
などがあげられます。
スタンダードな塗料である「ウレタン塗料」や「シリコン塗料」よりも強固で緻密な塗膜を形成するため、塩害や紫外線などから屋根材・外壁材を守ることができます。
これから家を建てる方は、施工段階から塩害用塗装を考慮しましょう。
6-2.塩害に強い外壁塗料の耐用年数と単価相場
塩害に強い外壁塗料は、「どれくらい継続して使用できるのか、費用はどれくらいかかるのか」も気になりますよね。
性能が上がるほど費用は高額になりますが、高機能塗料は耐用年数が長いため、外壁塗装を何度も塗り替えるよりも結果的に費用を抑えることができます。
外壁塗装でよく使われる塗料にはウレタン塗料・シリコン塗料がありますが、一般的な塗料との違いにも注目してみてください。
塗料 | 耐用年数 | 単価相場 |
---|---|---|
無機塗料 | 20年〜25年 | 3,800円〜5,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 15年〜20年 | 3,500円〜4,800円/㎡ |
シリコン塗料 | 10〜13年 | 2,500円〜3,500円/㎡ |
ウレタン塗料 | 7〜10年 | 1,500円〜2,500円/㎡ |
6-3.無機塗料の特徴とメリット
塗料は、主に「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶剤」の4つの成分で構成されています。
無機塗料とは、セラミックやケイ素などの無機物を主成分とした塗料です。
「変性無機塗料」「無機ハイブリッド塗料」とも呼ばれており、 紫外線によって劣化しにくいことが特徴で、仕上がりの良さや高い耐候性(太陽光・湿度・雨などの影響を受けた場合の耐久性)から、高機能塗料として注目されています。
また、無機塗料は有機物が少なく、紫外線による劣化を防ぐため、20年以上と耐久性があることが特徴です。
外壁塗装の回数を減らすことができるので、耐久性の低い塗料を選ぶよりも、見た目や機能性を維持しながら費用を節約することができます。
セルフクリーニング機能がある無機塗料なら、外壁が汚れたとしても雨水が汚れを落として洗浄してくれます。
●無機塗料のメリット
- 耐候性が高く、耐用年数が20年以上と長い
- 紫外線や塩害による劣化を防げる
- セルフクリーニング機能がある
6-4.フッ素塗料の特徴とメリット
フッ素塗料とは、「蛍石」というフッ化カルシウムを主成分とする鉱物を原料を原料としたフッ素樹脂を配合した塗料です。
フッ素塗料は塩害をはじめ紫外線、雨水、酸化、温度変化など、さまざまな外部環境に対する強い耐性を持っていることが特徴です。
他の一般的な塗料と比較すると価格は高いですが、耐久性・耐候性が高く、こまめなメンテナンスを必要としないことが特徴です。
外壁塗装の初期費用が高額になる場合でも、メンテナンス費用を大幅に節約することができるため、塩害対策を徹底したい方にもおすすめです。
●フッ素塗料のメリット
- 優れた耐候性で、劣化を最小限に留めて長持ちさせる
- 塩害・紫外線に強い
- 光沢感があるため、住宅を新築のように綺麗に見せてくれる
7.外壁の塩害対策を実践する時のポイント
海ならではの眺望やリゾート気分が味わえる海沿いの家に憧れる方は多いのではないでしょうか?
海沿いの暮らしを快適にするためにも、「塩害対策」は必要不可欠です。
最後に、外壁の塩害対策を実践する際のポイントをご紹介します。
7-1.劣化症状が出る前に外壁塗装を行う
塩害の症状は、時間経過と共に徐々に現れます。 塩害による被害が出てからでは修復費用が高額になる可能性があるため、塩害による劣化症状が出てから外壁塗装を行うのではなく、早い段階から始めることが大切です。
塩害の対策を行うなら、「地域に密着した外壁塗装業者」に依頼することをおすすめします。
地域密着型であれば、その地域特有の気候や環境に合った最適な塗装方法・塗料の種類を提案してもらえます。
ご自宅がどれくらい塩害の影響を受けているか知るためにも、まずは業者に相談してみましょう。
7-2.塗装メンテナンスは早めに行う
塩害が発生する海沿いの地域では、塗装メンテナンスを早めに行うことがポイントとなります。
塩害にさらされた外壁は、塗装で形成された塗膜が通常よりも早く劣化するため、本来の耐久性から2〜3年は寿命が早くなります。
塩害による建物の劣化を防ぐためにも、5〜7年ごとに塗装メンテナンスを行いましょう。
塗料でメンテナンスする場合は、前述した耐塩性や耐久性を高める「無機塗料」や「フッ素系塗料」がおすすめです。
外壁塗装後も定期的な点検・清掃を行うことで、建物の劣化を防ぎ、お住まいの寿命を延ばすことができます。
7-3.塩害がひどい場合は補修が必要なケースもある
- 腐食による穴あきが著しい
- 塩害によって金属部分の錆が拡大している
- 塗膜がすぐに剥がれる
このように、塩害がひどい場合は塗装では改善することができないため、補修が必要になります。
塩害に強い外壁への交換や溶接による補修など、劣化状況に応じて適切な方法を検討しましょう。
信頼できる業者に依頼するためには、施工実績や評判、価格設定、アフターサービスを考慮することがポイントです。
追加費用の有無についても確認しておくとより安心です。
まとめ
広島県は海沿いの家が多いため、塩害が多いエリアでもあります。
大切な家を塩害から守るためにも、信頼できる業者に依頼して、塗装メンテナンスを行いましょう。
広島・山口・岡山・島根県で塩害でお悩みの方、外壁塗装をお考えの方は、株式会社クレヨンにお任せください。
お見積もり・ご相談も無料ですので、お気軽にご相談くださいませ。
株式会社クレヨンの外壁・屋根診断詳しくはこちら!
https://crayon-paint.net/?m=diagnostics/roof